翻訳会社で15年以上さまざまな業務を担当してきた筆者が、業界の最新の事情などについて思うところを書いていきます。
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IT翻訳の傾向の変化
個人的にITのローカライズに携わる期間が長かったのですが、最近の実感として、ITの翻訳/ローカライズでも、仕事の種類が少しずつ変わってきているようです。

具体的には、これまで業務の中心であった製品マニュアル・ヘルプなどの仕事の比率が低下し、Webページ、パンフレット、PowerPointのプレゼン資料、製品のパッケージなど、少々毛色の異なる題材が増えています。

これらの内容は多岐にわたっていますが、セールス的な要素が多少なりとも入るという意味で、マニュアル系のものとは違いがあります。

このことの背景としては、おそらく、長引く不況の影響もあり、製品の販促につながらないマニュアルよりも、セールス的な要素の強いものにお金をかけようというメーカー側の考えもあるのかなと思います。

あるいは、IT業界の成熟に伴い、以前のような大規模な製品アップデートが少なくなっていて、製品に付属するマニュアルの翻訳ニーズが低下しているのかもしれません。

マニュアル系とセールス系というふうに(乱暴を承知で)大きく分けると、正確で読みやすい翻訳が求められるという点では両者に違いはありません。

でも、後者の場合、読み手に違和感を与えない自然な日本語という要素がより強くなります。なぜでしょうか?

文書の目的を考えると、マニュアルの場合は情報の伝達が中心のため正確さが求められる比重が高くなります。

一方で、販促的な要素の強い題材の場合は、正確さに加えて「読み手の心を捉える」ことで販売に結びつけることが求められます。同じ翻訳でも、まったく目的が異なるということですね。

もちろん、この点は原文に依存する部分も大きいので、翻訳でどこまでカバーするかというのもひとつの要素になります。

この種の翻訳に適切に対応するためには、これまでとは違うアプローチが必要です。どんなふうにしたらよいのか、また改めて書きたいと思います。
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