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翻訳会社で15年以上さまざまな業務を担当してきた筆者が、業界の最新の事情などについて思うところを書いていきます。
スキャン翻訳サービス
このような興味深いニュースがありました。

■紙文書をコピー感覚で即翻訳!富士ゼロックスの複合機対応翻訳サービス『スキャン翻訳サービス』に、高電社が、自動翻訳エンジンを提供

http://www.sankeibiz.jp/business/news/121105/prl1211051009004-n1.htm

高電社は中国語、韓国語に強い翻訳会社です。今回、高電社が中国語、韓国語の自動翻訳エンジンを提供したことのより既存の英語、日本語を含めた 4 ヶ国語の相互翻訳が可能になりました。

富士ゼロックスの複合機で、英語で書かれた紙をスキャンすると、ただちにインターネットで自動翻訳エンジンに接続され、翻訳された言語の出力が、レイアウトをキープしたままでてくるというものです。

文章のルビ位置に訳文を併記する形式や、単語単位で訳語をルビ位置に表示する形式も選択可能とのことです。またPDF のような電子文書の翻訳も可能です。

「スキャン翻訳サービス」の翻訳品質はどのくらいでしょうか?もしお試しになった方がおられたら教えていただきたいところです。

専門分野に特化した辞書と用語登録を充実させることにより、文法が大きく異なる英語⇔日本語のようなケースでもかなり高い精度の機械翻訳(自動翻訳)が可能になってきました。

また高電社のように翻訳会社が自動翻訳エンジンを作成して商品として提供する、という動きも出てきています。

機械翻訳は、まだまだ本当に品質保証ができるような翻訳品質には達していないのが現実で、機械翻訳によって翻訳者が失業する、といった心配はまだ遠い先かと思います。

しかし、機械翻訳で出力された文章を調整する仕事(エディット)なども主流になりつつあり、翻訳者としても機械翻訳と「うまく付き合っていく」というのがこれからの流れと言えそうです。
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