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翻訳会社で15年以上さまざまな業務を担当してきた筆者が、業界の最新の事情などについて思うところを書いていきます。
ロンドン・オリンピック:日本とイギリスのメダルの住み分け
ロンドン・オリンピック閉幕が閉幕しました。
もうあの興奮が味わえないかと思うと少し寂しくなりますね。

日本はお家芸である柔道の不振が響き金メダル 7 個でしたが、メダルの合計は 38 個で過去最高で、開催期間中、毎日メダル獲得がない日はなかったとのことです。

これまでメダル獲得がなかった卓球やバドミントン、またメダルが久しぶりの女子バレーやボクシングでメダルを獲得し日本中が沸きました。

今回、開催国のイギリスが 29 個もの金メダルを獲得し、金メダルではアメリカ、中国に次いで 3 位という大躍進でした。

イギリスは、1896 年に開催された第1回アテネオリンピックから、冬季オリンピックは1924 年の第1回シャモニーオリンピックから参加を続け、これまですべてのオリンピックに参加しています。

1980 年のモスクワ・オリンピックもアメリカに同調せず、ボイコットしませんでした。さすがに様々なスポーツの発祥の地であり、オリンピックに参加するのは伝統と誇りといったところでしょうか?

1948 年には 2 回目のロンドン・オリンピックが開催されました。1 回目は 1908 年でした。今回が 3 回目となります。

1948 年から 1996 年アトランタまでは金メダルの数は 1 ~ 6 個で、決してメダル大国ではありません。

2000 年シドニーから 2008 年北京までの平均金メダルは 10 個になり、躍進を始めています。

そして 2012 年地元ロンドン開催のオリンピックで 29 個の金メダルを獲得しました。

ふと思ったのが、日本とイギリスが競技でメダル争いをしたという記憶がみなさんありますか?私の記憶では男子体操団体以外ではほとんど無いかと思います。

じゃあ、彼らはどこでそんなに金メダルをとったのか?、気になって調べてみました。
自転車で 8、ボート・カヌーで 6、陸上 4、馬術 3、ボクシング 3、テコンドー、テニス、トライアスロン、射撃、セーリングで各 1、合計 29 です。

地元でのオリンピック開催とあって、選手強化に力を入れたのは言うまでもありませんが、イギリスが伝統的に強い自転車、ボート・カヌーを更に強化したと言えなくもないようです。

日本とは「競合しない同業他社」のような感じだったかと思います。26 競技 302 種目もあったので競合しないのは決して不自然ではありません。

翻訳業界はオリンピックよりもかなり間口が狭い(種目が少ない)世界かもしれません。
それでも競合する会社もあれば競合しない会社もあります。

メダルを獲得する、つまり業績を上げるには 2 つの方法があるかと思います。

1. これまでの自社の得意分野を更に強化する
(イギリスなら自転車、ボート。日本なら柔道、水泳など)

2. 新たな分野に挑戦する
(選手層が薄く短期的にメダル争いに入り込めそうな競技を探して選手を強化する。その競技、分野を得意としている国からコーチを招く)

私の以前いた翻訳会社では IT 分野を得意としておりましたが、メディカルという新しい分野にも挑戦しました。メディカル分野の担当者、翻訳者を集め、強化し軌道に乗せることに成功しました。

ひとたび、ある分野で軌道に乗ると、仕事を獲得しやすくなります。

選手強化と一緒で、明確なビジョンとそれを達成するためのメソッドが必要になります。

そういったところに知恵を絞っていくのも翻訳業界で成功するための要素かもしれません。
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