翻訳会社で15年以上さまざまな業務を担当してきた筆者が、業界の最新の事情などについて思うところを書いていきます。
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NTTドコモのサービス
外国語を話す人と、外国語を使わずにスムーズに電話で会話できる・・電話の中に通訳機能があってこちらが話す日本語を瞬時に外国語にしてくれて、外国語を日本語にしてくれる。

このような電話は少し前まではドラえもんの四次元ポケットから出てくる道具のようでした。しかしながら今では現実のものとなりつつあります。

 NTTドコモでは、2011年11月に、音声を自動的に翻訳する「通訳電話」のトライアルをスタートさせ、さらに 2012 年6月から「メール翻訳コンシェル」というサービスは、日本語と外国語を相互に翻訳し、メール本文にコピーして利用できるサービスです。

どちらも NTTドコモの TV CM でたくさん流れているので、聞いたことがある、またはすでに利用している、という方も多いかと思います。

「通訳電話」も「メール翻訳コンシェル」もまた、専用アプリを用いて、クラウド上で翻訳するしくみとなっています。

通訳電話は「向い合っての会話」と「離れたところでの通話」(通常の電話と同じ環境)を想定したサービスで「音声認識」「音声合成」と「機械翻訳」の技術が主軸になっており、「メール翻訳コンシェル」は入力支援としての「音声認識」と「機械翻訳」が使用されます。

通訳電話のモニター募集は大変な人気があり終了したそうで、2012 年秋からは商用化を進めているとのことです。

どちらも「機械翻訳」という技術がキーワードとなっています。

NTT ドコモの提供する、「通訳電話」と「メール翻訳コンシェル」について、わたしは実際に試したことがなくその翻訳の品質については何とも言いがたいのですが、もし体験した方がいれば教えていただきたいです。

当ブログでもこれまで述べているように、機械翻訳は、ある程度役には立つものの、そこそこの実力しかないのが現状です。

翻訳の精度を高める方法として「単語の追加とアルゴリズムの改善、正答性、順序のマッチング」と NTT ドコモのエンジニアは述べています。

実際、個人間の通話や、メールの内容を翻訳する、海外有名アーティストの Twitter での発言を日本語に翻訳するなど「自己責任」でわりきって使用するのには何の問題もないかと思います。

正式に実用化されている「メール翻訳コンシェル」に関しての注意事項の中で、NTT ドコモは、「「メール翻訳コンシェル」の提供には翻訳技術を用いておりますが、当社はそれらの技術の精度などについて何らの保証をするものではありません。」と明記しており、翻訳品質には責任を持てないよ、ということになります。

つまり翻訳品質に責任を持つ翻訳会社、翻訳者の仕事はなくならない、とわたしは思います。
ロンドン・オリンピック:日本とイギリスのメダルの住み分け
ロンドン・オリンピック閉幕が閉幕しました。
もうあの興奮が味わえないかと思うと少し寂しくなりますね。

日本はお家芸である柔道の不振が響き金メダル 7 個でしたが、メダルの合計は 38 個で過去最高で、開催期間中、毎日メダル獲得がない日はなかったとのことです。

これまでメダル獲得がなかった卓球やバドミントン、またメダルが久しぶりの女子バレーやボクシングでメダルを獲得し日本中が沸きました。

今回、開催国のイギリスが 29 個もの金メダルを獲得し、金メダルではアメリカ、中国に次いで 3 位という大躍進でした。

イギリスは、1896 年に開催された第1回アテネオリンピックから、冬季オリンピックは1924 年の第1回シャモニーオリンピックから参加を続け、これまですべてのオリンピックに参加しています。

1980 年のモスクワ・オリンピックもアメリカに同調せず、ボイコットしませんでした。さすがに様々なスポーツの発祥の地であり、オリンピックに参加するのは伝統と誇りといったところでしょうか?

1948 年には 2 回目のロンドン・オリンピックが開催されました。1 回目は 1908 年でした。今回が 3 回目となります。

1948 年から 1996 年アトランタまでは金メダルの数は 1 ~ 6 個で、決してメダル大国ではありません。

2000 年シドニーから 2008 年北京までの平均金メダルは 10 個になり、躍進を始めています。

そして 2012 年地元ロンドン開催のオリンピックで 29 個の金メダルを獲得しました。

ふと思ったのが、日本とイギリスが競技でメダル争いをしたという記憶がみなさんありますか?私の記憶では男子体操団体以外ではほとんど無いかと思います。

じゃあ、彼らはどこでそんなに金メダルをとったのか?、気になって調べてみました。
自転車で 8、ボート・カヌーで 6、陸上 4、馬術 3、ボクシング 3、テコンドー、テニス、トライアスロン、射撃、セーリングで各 1、合計 29 です。

地元でのオリンピック開催とあって、選手強化に力を入れたのは言うまでもありませんが、イギリスが伝統的に強い自転車、ボート・カヌーを更に強化したと言えなくもないようです。

日本とは「競合しない同業他社」のような感じだったかと思います。26 競技 302 種目もあったので競合しないのは決して不自然ではありません。

翻訳業界はオリンピックよりもかなり間口が狭い(種目が少ない)世界かもしれません。
それでも競合する会社もあれば競合しない会社もあります。

メダルを獲得する、つまり業績を上げるには 2 つの方法があるかと思います。

1. これまでの自社の得意分野を更に強化する
(イギリスなら自転車、ボート。日本なら柔道、水泳など)

2. 新たな分野に挑戦する
(選手層が薄く短期的にメダル争いに入り込めそうな競技を探して選手を強化する。その競技、分野を得意としている国からコーチを招く)

私の以前いた翻訳会社では IT 分野を得意としておりましたが、メディカルという新しい分野にも挑戦しました。メディカル分野の担当者、翻訳者を集め、強化し軌道に乗せることに成功しました。

ひとたび、ある分野で軌道に乗ると、仕事を獲得しやすくなります。

選手強化と一緒で、明確なビジョンとそれを達成するためのメソッドが必要になります。

そういったところに知恵を絞っていくのも翻訳業界で成功するための要素かもしれません。
「ミドルメディア」とは?
昨日の記事で、「サーチナ」について紹介しました。

サーチナでは、ロンドン・オリンピックのニュース記事も大変関心をそそるものが多いです。
http://news.searchina.ne.jp/topic/olympic.html

中国政府の公式な報道機関と違って、中国ネットユーザーの「本音」を垣間見れるのが興味深いです。

このような報道のかたちはマスメディアと、ネット上の掲示板やブログといったパーソナルメディアの中間にある「ミドルメディア」と呼ばれています。

インターネットが発達して、円熟期を迎える近年、おびただしい数のブログや掲示板がネット上にあふれていますが、これらを取捨選択して、かいつまんでトレンドを教えてくれるようなメディア、知りたい情報をユーザーの代わりに探して提供してくれるメディアが必要になってきているということです。

もちろん異なる言語であれば、ブログや掲示板にしても「翻訳」が必要になります。

一般に外国語の掲示板に行って、何か調べたいという人がいても、その言語にかなり堪能でない限りなかなか難しいところです。でもサーチナのような日本語での紹介記事があれば助かりますし、関心をそそります。

サーチナの記事は、ブログや掲示板のスレッドの翻訳にしても、翻訳者を介した、読んで全く問題のない日本語となっています。翻訳は正確な逐語訳である必要はなく、要約としてわかりやすいものになっていれば十分です。むしろニュース記事としての速さが求められると思います。

このような「ミドルメディア」に対応する翻訳もこれからもっと出てくるとかと思います。
「サーチナ」って?
ロンドン・オリンピックたけなわですが、さまざまな報道がわたしたちのもとに届いています。

Yahoo! Japan のロンドン・オリンピック特設サイトの中のニュースの提供元として、毎日新聞、時事通信、日刊スポーツ、デイリースポーツなどの中でわたしが注目したのは、「サーチナ」というメディアです。

「サーチナ」の記事は日本や欧米のメディアとはかなり色合いの異なる報道をしています。

主に、中国の報道機関の記事の紹介(日本語版を出していない機関の記事はおそらく自社で翻訳)、そして【中国BBS】と題して中国の掲示板サイト虎撲や中国大手検索サイト百度の掲示板に立てられたスレッドの紹介をしています。同じように【韓国BBS】と題して、韓国のネットユーザーの声も紹介しています。

記事には記者の名前が付されており、掲示板のコメントの翻訳までその記者が行なっているのか定かではありませんが、おそらく自社で行なっているものと思われます。

サーチナについて調べてみますと、サーチナ(Searchina)は、中国人(通名)端木正和が創始者の日本の企業で、ポータルサイト「中国情報局」が前身です。名称は、サーチ (search) とチャイナ (china) からの造語だとのこと。そして中国新聞社とニュース配信契約を結んでおり、中国経済、中国株情報の配信をはじめ、日本最大の中国情報サイトです。(Wikipedia より)

当初は、中国国営通信社である中国新聞社とニュース配信契約を結んでいることもあり、中国政府の見解を表した記事が多かったのですが、政治的スタンスはあくまでも「中立」とのことです。

最近では、人気サイトの動向や大型掲示板のスレッドの紹介といった記事も増えており、読者の関心を引く記事を多く紹介しています。
オリンピックと言語(その2)
先回、シドニーオリンピックでの柔道の「世紀の誤審事件」について書きました。

柔道では、「一本」「技あり」「有効」「効果」「指導」「注意」「警告」「待て」など審判が使う用語はすべて日本語です。発祥地の言語を用いるのが決まりとなっています。

フェンシングの用語は同じ理由でフランス語です。オリンピックと言うよりも競技として統一されています

陸上競技のスタートは何語なのでしょうか?
日本オリンピック委員会のホームページには「スタート合図に使用する言語だが、ローカルな大会では、英語、フランス語、地元の言葉から選択が可能となっているが、オリンピックや世界陸上では、英語のみとIAAFルールで定められている。「位置については」は「On Your Marks(オン・ユア・マークス)」、「用意」は「Set(セット)」である。」
と書かれていました。

もし、国際試合にでるようなスポーツ選手なら言語の問題にも慣れていないといけませんね。また言語という角度からオリンピックやスポーツ競技を見るのも面白いと思いました。

よく選手同士が話しているシーンを見ると、あれ?何語で話しているんだろう?とか興味が尽きませんね。

以上、オリンピックと言語に関するよもやま話でした。
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